「内のし」は、包装紙で包む前の品に直接のし紙を貼り、その上から包み、「外のし」は包装紙で包んだ後で、のし紙を貼ります。のし紙には誰からどういう名目で送られてきたのか書いてありますから、外のしは一目で、誰がどのようなお祝いをしてくれたのかわかります。内のしは包装紙を開けてみないことには、それが何なのかわかりません。
どちらがどのような場面で使われるべきなのかは、はっきりと決まっていないので、渡すときの状況を考えて、便宜的に選べば良いでしょう。
土地柄で言えば、
「関東は外のし」、「関西は内のし」が多いと言われます。
例えば、たくさんのお祝いが同時に届く人に贈り物をする場合や、みんなの前で披露される可能性がある場合は、パッとみて誰からどのような名目で送られてきたのかわかりやすい「外のし」を選ぶと良いでしょう。
直に贈り物を渡すときは、のしが見える形で渡すのがマナーなので、外のしにします。
逆に、宅配などで物を送る場合は、外のしにしても汚れますし、さらにその上から包むとなると過剰包装になるだけです。伝票が外に付いているので誰から来たのかわかるので、内のしにする方が良いでしょう。そのほか、内祝いなどであれば、控えめに見える内のしの方が好まれます。
本来贈答品は、のしを添えて、風呂敷に包んで持参するものです。時代の流れの中で、風呂敷が包装紙に変わったと考えれば、内のしが本来の姿に近いのかもしれません。宅配で送り届ける場合は、包装紙を風呂敷に見立てて内のしにし、持参する場合は、外のしにして、風呂敷か、あるいはそれに代わる袋を用意して、渡した後にさっと片付けられるようにしておくのが一番スマートかもしれません。